制御基板、プリント基板の予防保全の取組みとは少し異質ですが、基板補修研究会でお勧めしている活動のひとつに、「予備基板の動作確認テストのすすめ」 があります。
設備ユーザーの皆様にとって、大事な生産設備。その生産設備の制御をつかさどる制御基板、プリント基板であれば 予備基板を潤沢とはいえないまでも、ある程度は確保しておられると思います。
その制御基板、プリント基板がオリジナルメーカーの製造中止、保守中止、補修受付停止対象の制御基板、プリント基板となれば尚更、予備はラストオーダー時などに確保されていることでしょう。
しかしながら、その予備の制御基板、プリント基板の動作確認を実施したことのある設備ユーザーは少ないのではないでしょうか。
- 今、せっかく動いている制御装置に、刺激を与えて壊したら・・・・
- 古い制御装置だから、制御基板、プリント基板を外すと動かなくなるかも・・・・
そんな心配から、予備の制御基板、プリント基板の動作確認をする機会を失っていないでしょうか。
いざ! と言うときに、動作させられない予備の制御基板、プリント基板は、もうその時点で予備ではありません。
宝の持ち腐れにならないためにも、「予備基板の動作確認テスト」を実施しましょう!
予備の制御基板、プリント基板の動作確認テストをしていて良かった~ というケースをご紹介します。
○ディップスイッチ、ジャンパースイッチの設定違いが取替え時に判明!
制御基板、プリント基板のマイナーチェンジで ジャンパーのある位置が異なっている予備基板を購入したため、どのジャンパーを同じ設定にしたらいいのか? が不明。 メーカーへの問い合わせで設定がはっきりした。
○ソフトウェアのバージョン違いで動作に不具合
これも、基板のバージョン管理の話ですが、搭載しているソフトウェアのバージョンが違った故に予備の制御基板、プリント基板が動作しなかったケース。
この時は、ソフトウェアの搭載されている ROMを古い制御基板と新しい制御基板で交換することで動作確認が出来ました。 これが突発故障だったらと考えると、ぞっとします。
後日、動作している基板と同じバージョンのソフトが搭載されたROMをメーカーから取り寄せました。
○予備でもっている制御基板、プリント基板が 複数機能の汎用基板だった
かなりレアなケースです。
元々予備として購入した制御基板、プリント基板が、搭載している部品とセットで正常動作する制御基板だったというもの。
予備として使うときには、基板に部品をセットしてから予備として使う仕様になっている。
かなり前に購入したことで、担当者が変更。基板と部品がばらばらに管理されるようになったことと、予備基板の取替え手順が整備されていなかったこともあり、全く動かない予備基板が出来てしまいました。
お困りのユーザー様に代わり、メーカーへ問い合わせした所、複数の機能を持つ基板であることが判明。倉庫の中から、搭載されている電子部品を探し出し、予備基板として復活させることが出来ました。
このように、予備基板の動作テストにより、取替え手順の整備や、取替えに必要な部品があらかじめ準備でき、突発故障でも慌てず対応が可能です。
又、メーカーへの基板や、搭載ソフトのバージョン確認や、取替え手順の確認の実施で、安心して予備として保管できます。
このように、基板補修研究会では、基板の補修、修理だけでなく、総合的な保全についてのアドバイスも実施しております。
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