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制御基板・プリント基板上の電解コンデンサ良否判定について
- 2016/7/21
- 制御基板の予防保全技術, 制御基板補修実例
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制御基板、プリント基板上の有寿命電子部品に、「電解コンデンサ」があります。
基板補修研究会では、電解コンデンサの積極的な取り替え補修をお勧めしております。(以下の記事を参考にしてください)
>>>> 電解コンデンサ取り替えのすすめ
しかしながら、ユーザー様の中には、こんなニーズもあります。
- 電解コンデンサの取り替えにはリスクがある(取り換え時に制御基板・プリント基板のパターンを傷つける、取り替えた電解コンデンサが不良品だった ・・・ 等)
- オンボードの電解コンデンサの良否判定をして、不良品のみ取り替える補修をしたい
ということで、今回は、 制御基板、プリント基板上の電解コンデンサの良否判定 についてお話したいと思います。
結論から申しまして、以下のことが言えます。
制御基板、プリント基板上の電解コンデンサの容量を測定し、良否判定を行うのは非常に難しい
制御基板、プリント基板上の不良電解コンデンサの調査には、以下の調査方法があります。
1.目視調査
電解コンデンサが 破裂、膨れ、液漏れ等 目視で不良と判断できる場合は、ある程度 許容範囲内のインピーダンスが測定できたとしても取り替えるべきです。 外見で膨れている時には、予寿命はほとんどないと思って間違いありません。
2.インピーダンス測定
インピーダンスが測定できるテスター等で電解コンデンサの両端子間のインピーダンスを測定する調査方法です。この調査では、制御基板、プリント基板の回路が不明なことが多いため、電解コンデンサ外部の影響が数値的にわかりません。 このため、この調査方法では、制御基板、プリント基板上の電解コンデンサの容量判断は難しく、予寿命はおろか、良否の判定も難しい ということが言えます。
制御基板、プリント基板自体に正規の電源を印可できる場合は、オシロスコープ等での波形調査により良否判定の目安が出せる可能性はあります。
3.良品の制御基板、プリント基板との比較調査
基板補修研究会で使っている、インサーキットを使った制御基板、プリント基板の調査方法です。 良品と分かっている制御基板、プリント基板が手元にない場合はこの調査は使えません。
>>> インサーキットとは何?という方は、「インサーキットでの基板補修実例」を確認ください。
あくまでも比較調査ですので、良品の制御基板と調査対象の制御基板を比較して、数値に差があったときには、電解コンデンサの不良が疑われる ということになります。
何度も言いますが、良品比較調査ですので、インピーダンスの差(絶対値の数値差)が何Ω以下なら良品で何Ω以上なら不良か?というのは、実績を積み上げていかないと判断はむつかしいです。
このように、制御基板上、プリント基板上の電解コンデンサの良否判定については、基板補修研究会で、現在のところ保有している調査技術では、なかなか難しいという結論に至りました。
しかしながら、実使用的には、電解コンデンサは有寿命品であることは間違いない事実ですので、10~15年を経過した電解コンデンサについては、取り替えをお勧めしております。
今後は、このようなニーズにも対応できるよう、調査の実績を積み上げたり、新技術の開発もあわせて実施していきたいと考えています。
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